※以前のブログからの転載です。

※写真は3年前、つばめ塾を始める時に撮ったもの。全国に広がるつばめ塾の塾長である小宮先生、場所を無償提供してくださっているカキザワホームズの柿澤会長、菊池様、そして私と佳奈子。

毎週日曜日19:00~21:00で無料塾「淵野辺つばめ塾」のお手伝いをしている。おそらく、有料塾それも個人塾経営者でありながら無料塾講師として毎週授業をしているのは珍しいのではないだろうか。

その理由を話したいと思う。3つある。いつもながら長文であるから、もしかったるいというのであれば最後の3つ目だけでもぜひ目を通していただきたい。皆さんの生活、子供達の未来に直結する話だから。

1つは「恩返し」だ。塾を運営するのに本当に多くの方々にお世話になった。特に現大家さんである青木様ご夫妻は人生の恩人である。

もちろん塾運営だけでなく、生きていく上で様々な方にご支援いただいた。もちろん一人一人にいつかきちんを恩返しをしなくてはいけない。が、私をご支援していただいた方々は本当に志と徳が高い。お礼などいいから、塾の子供達や地域、社会のために働いてくれとおっしゃる。直接のお礼を差し上げたいがなかなか受け取ってくれない。そこで、塾生に対し全力を注ぐことはもちろん、何か社会貢献はできないだろうかと常に考えていた。そこで出会ったのが小宮先生であった。

理由の2つ目は前述した小宮先生との出会いである。彼は一から、そして独りで八王子つばめ塾を立ち上げた。

ボランティア活動を探していたわけではないが、いろいろと調べていくうちにたまたまその「八王子つばめ塾」が目にとまった。それまでは無料塾という存在は知ってはいたが、深く思うこともなくそういう活動をしている人もいるんだな程度の認識だった。

それなのになぜかこの小宮先生の活動に引きつけられた。ホームページにつづられる彼の言葉に嘘偽りはない。

すぐにアポを取り、お会いしていただいた。私よりずっとお若いが本当にエネルギッシュな方で私達夫婦ともにファンになった。八王子まで授業をしに行くことも可能であったが、小宮先生の計らいでこの相模原近辺で授業ができるようにと「淵野辺つばめ塾」を開塾することになった。場所は(株)カキザワ工務店/カキザワホームズの柿澤会長のご厚意でそのモデルルームを無償で貸し出してくれている。

https://www.kakizawa-sc.co.jp/

その他にも無料で野菜やパンを差し入れてくださるNPOなど地域全体で子供達を支えている。様々な方々のご理解ご協力があって成り立っているのだ。

なお、小宮先生は私立高校や大学の教員、あるいはアルバイトをしながらご家族を養っている。

そんな方々の一員になれること自体が喜びでもある。

そして、3つ目。実はこれは当初から思っていたことではない。つばめ塾の一員となり、貧困の現実やいろいろなことを学び、様々な人々と出会うことで徐々に芽生えてきたものだ。がしかし、今では無料塾を続ける最大の理由となっている。

それは、貧困問題に限らず社会はすべてつながっている、ということだ。

「自己責任論」は確かに一理ある。が、これだけ社会が複雑化し、様々なものが密接に結びつく現代において、自分だけが幸福になるなんていうことはもう有り得ないのだ。それは見えていないだけで、実は確実に我々のすぐそばまで来ている。

貧困問題は社会問題と直結する。

貧困の最大の問題は自己否定感の増大だ。自分の存在価値を認めることができない。すると自暴自棄になり、最悪の場合、犯罪に結びつく。詐欺や麻薬、性犯罪、それは私達にとって決して遠い世界の事ではない。日々あふれるように報道される現実をみれば一目瞭然であり実感もできるだろう。

自分や我が子がそれらの犯罪や詐欺の被害者になる可能性もある。そんな話はゴロゴロそこらへんに転がっているではないか。そう考えれば他人事ではない。また、犯罪者を捕まえることや刑務所の維持などもすべて税金だ。さらに生活保護などの社会保障費は当然のことながら国民全体の負担となる。

日本国内だけにとどまらない。世界でおこる戦争や紛争の根底要因は貧困である。自衛隊の派遣問題はもちろん、それだけでなくもはや世界情勢において日本は関係ないとは言い切れない。ODAもまた我々の税金である。また、火の粉が直接降ってこないという保証はどこにもない。北朝鮮を支援せよとは微塵も思わないが、北朝鮮の貧しさと日本の危機は密接に関係している。

消費税増税で世間は大騒ぎとなっているが、ますますその負担が増える要因が目の前にあることに気がついていない。いや、見ようとしていない。

何よりもだ。何よりも、誰だってその立場になり得るのだ。

会社の倒産や交通事故など、いつなにがどこで起こるかわからない。いや、もっと身近で頻繁に起こり得る事例を挙げれば自然災害だろう。地震大国であることはもちろん、台風の恐怖にさらされ続けた今年の夏の教訓は忘れてはならない。誰もがその災害を受ける可能性があるのだ。

そして、被害者から加害者になることを否定することは誰にもできない。

それらを自己責任で片づけることができるだろうか。

無料塾を続けるなんてよほど本業の塾が儲かっているのだろうと思われる方もいるだろうが、そんなことはない。むしろカッツカツのカッツカツだ。

マザーテレサは「100人の子に食べ物を与えられなくても1人にならできるでしょ」と説いた。裕福になってから活動するのであれば、たぶん私は一生なにもできないだろう。

決して大げさではなく、貧困問題や社会問題に向き合うことが、私達の家族の幸福や慶翔ゼミナールの塾生の幸せにつながると本気で信じている。

無料塾に集う子供達が元気に活動し、世の中に巣立っていけば、それは巡り巡って私達へと何かが循環するであろう。

よく「無料なんて、何かウラがあるんでしょう」と言われる。当然といえば当然のご意見だ。だが、金銭的な見返りは一銭もない。むしろ出ていく一方である。ウラがあるとすれば、上記の「情けは人のためならず」という下心(笑)だろうか。

やる気の搾取と言われようがなんだろうが、子供達と保護者の心からのありがとうとの感謝の言葉は何物にも代えがたい。私達夫婦はその宝物に出会えることに幸福を感じている。雑音はまったく気にならない。

幸いにも慶翔ゼミナール塾生保護者から「何やってんの」という言葉をいただいことは一度もない。むしろ、使わなくなったテキストや雑巾、鉛筆などご支援いただいている。本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。塾生も保護者の素晴らしい人ばかりだ。

私を支援することが無料塾の子供達、いや未来の社会と子供達を支援することであり、それはやがては皆さんの幸福へとつながっていく。いや、そうすることが私の使命だと思っている。

これからもあたたかい目で見守っていただけたらと思う。